悔やむこともありましょう、あまちです。私が大好きな音楽ゲームのプロセカで「抜錨」が追加されました。嬉しいですね。

メリューと抜錨は自分の中でも特別な曲です。それは何も1番好きとか人生訓になっているとかそういうものではなく、リアルタイムで自分の心に釘を打ったもので、自分の解釈が許された稀有な作品だからです。言い方を変えれば、語る仲間がいた作品なのです。自分の世界に引きこもりがちな趣味世界の中で、世間と世界が重なった作品はやはり印象深いのです。

さてと抜錨。巡音ルカの大人びた声をここまで生かした楽曲もまた稀有でしょう。懐古談のような語られ口の歌詞がサビまで一貫しているのが特徴です。これが例えばミクやレンならサビで吹っ切れます、語気も強まります間違いなく。抜錨の浮世離れした、もしくは懐かしい感覚を支えているのはこの巡音ルカの大人びたキャラクター性と声なのです。

ひとりで歌うと過ぎた後悔を懐かしむイメージが強いですが、これがマルチボーカルになると共有する人間がいて、どこか慰めのイメージを与えます。それも一方的な慰めではなく、傷ついたもの同士の慰め。難しさと向き合った人特有の複雑な感情の歌、抜錨。オススメ曲です。